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活法と 武道医学 [東洋医学]

活法とは 武術において 
表技である 殺法に対して、裏ワザである蘇生・治療を目的とするもので  
各流派ごとに開発されて 秘伝として口伝により 継承されました。

活法には、仮死状態にある者の 蘇生術と 急性外傷に対する
応急処置・治療を行う医術 に分けられます。

急性外傷に対する応急処置・治療を行う医術には、骨折・脱臼など 
骨の損傷に対する整骨法、筋・腱などの軟部組織の損傷に対する
腱引き法・柔軟法の他、湿布・薬草を用いた薬法
などがあります。


活法は筋肉や骨格を瞬時に矯正する事ができます。
基本的に、呼吸やタイミング、力学的作用を用いて、無理な力を
使わずに行います。

活法の特徴としては、先ず即効性があげられます。
武術においての負傷に用いられる様に考えられた方法の為、
いかに早く立ち直らせて、戦える体に戻すかが重要であった筈です。

症状を軽くし、動ける体に戻すのが 活法の目的である為、
〝根本から治す〟という事は考える必要性は無かったのです。


次の特徴は、どこでも、どの様な体勢でも速やかにできる技術
である事です。場所を選ばず簡単である事が重要となります。


活法には幾つかの流派があり、その流派ごとに秘伝として口伝で継承
されているとの事です。即ち、一子相伝の技術なのです。
その為、詳細が書かれた 書物はあまり無いのです。

明治時代以降、西洋医学絶対の思想が広まり定着した為、
活法は存続の危機に瀕しましたが、指圧・柔道整復・腱引き・整体 
その他の民間療法に形を変えて生き残っています。

そのうち、国家資格として法制化されたものとしては、
指圧・柔道整復があげられます。

指圧の手技のなかで衝圧法には、武術の活法的
な要素が窺えます。

柔道整復師が行う業務は、元々は 柔術の裏技である活法を利用して、
骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷に対して施術を行うものでした。

柔道は明治時代に、嘉納治五郎先生が起倒流、天神真楊流柔術を基に
講道館柔道を 『知育・徳育・体育』の教育の為に創られました。

その元流の一つである『天神真楊流』は『楊心流』の系統で、
楊心流では、相手を倒す為の『殺法』と、痛めた人を治す為の『活法』
の両方を修得するのが特徴です。
その中の活法の一部に整骨法がありました。
『天神真楊流』は『楊心流』と『真之神流』を合せたもので、
四巻の伝書が作られ、打ち身・捻挫の治療法・薬方は地之巻
脱臼・骨折の整復・切り傷の治療法は天之巻
の免許皆伝が与えられました。

この様な経緯で 江戸期には 武術・柔術家、按摩師、医師により 
整骨術、接骨術として確立され 整骨 接骨・正骨・ほねつぎ として
存在し、国民医療の担い手となっていたのでした。

嘉納治五郎先生は 柔道師範が 整骨・接骨を 生活の為の生業として
行う事を提唱され、大正九年に 『柔道整復』として 
医療の一つに加えられる事になります。

ここで『柔道整復』として用いられた〔活法〕は、整骨・接骨の骨法であり、
同じく柔術家において 筋肉・腱の損傷時の〔活法〕として用いられていた 
『腱引き』は 外されました。

『腱引き』は、仙台の『柳生心眼流』という柔術に伝わる 
活法で、筋腱が損傷すると、固まって硬くなり関節の動きが悪くなったものを 
劇的に改善する秘法でした。

即ち、『柔道整復術』には骨折・脱臼などの骨の損傷を整復する 
武術の活法は生かされましたが、
筋腱の損傷の整復法は『柔道整復術』として取り入られなかったのです。

その為、整形外科が骨折・脱臼治療の殆んどを行っている現在、
柔術の〔活法〕が捻挫・挫傷・打撲の整復・施療に生かされる事は無く、
捻挫・挫傷の施術としてはマッサージがその中心として行われている
現状なのです。

私が行っている『腱はじき術』は、『手技研』に伝わる
手法を基に、自らの五十肩を実験台として研究し、 
臨床を重ねながら 進化させたものです。

関節が動き難くなったり、動かして痛い時には、驚くほど効果があります。

しかし、整体・指圧など 色々な施術法のルーツを辿ると、武術の活法に
行きつく事が多い事から考えて、元々は 柔術の活法として用いられていた
手法を元にしているのかも知れません。

私は、柔道整復の施術は、柔術の活法が源流である事を踏まえ、
マッサージでなく、日本の伝統的手法にも 目を向けるべきである
と思います。





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