筋トレは腰痛・五十肩の予防や治療に効果はあるのか? [医学一般]
よく患者さんから、「腰痛は運動不足が原因でしょうか?」
「肩を動かさなかったから筋力不足で五十肩になったのでしょうか?」
「筋力をつけないと体が歪んで曲がっていくのでしょうか?」
と質問を受けます。
逆に、
「トレーニングジムに通っていて筋力をつけているのに、反って腰痛が酷くなるんです」
「しっかり運動しているのに、何故こんなに歪むのでしょうか?」
「スポーツのインストラクターをしているのに、五十肩になってしまい生徒に格好がつかないです」
等との お話も しばしば 耳にします。
私は、治療師・整体師として、25年近く 歪みや痛みを見て来ておりますが、
寝たきりや、ギブスや装具などを着けられていた場合を除き、普通の生活をしていて、
筋力不足が原因で 症状が出ている方や歪んでいる と感じた事はありません。
筋力不足や運動不足が腰痛や五十肩の原因なら、スポーツ選手やジム通いの方、
スポーツインストラクターの方は 腰痛や五十肩とは縁が無い筈ですが、
私が見る限りは、むしろ多いというか 酷い方を良く目にします。
先に例に挙げた スポーツインストラクターの女性は、筋トレやストレッチの
指導をしておられる位の方なのに、左肩が動かせなくなり、着替えや掛け布団を
めくるのもままならなくなり 来院されました。
彼女には、痛みが強い時、動きにくい時は、
肩関節を動かさない事が一番だと云う事を認識して頂き、腱はじき中心の施術を行い、インストラクターや審判の仕事も、左肩を動かさずに、
右手と口だけで行ってもらいました。
すると、
半月後には可動制限は残るものの肩を動かす痛みが殆んど消失しました。
では、皆さんが筋力が無い、運動不足で痛いと言われている
「筋力不足」の正体は何なんでしょうか?
それは、最近私が当ブログに 度々書いております「筋出力の低下」なのです。
筋出力の低下はどういうケースで起こるか、考えてみたらよくわかります。
① 過度な運動をしたり、同じ体勢を取り続けたり、同じ動作を繰り返し行う等
筋肉に負担をかけた事による疲労・硬直・痙攣により、
筋肉に余力が無くなり、筋肉の機能が十分に発揮できなくなっている
椅子に同じ体勢で長く座る、パソコンのキーボード操作、マウス操作など繰り返し動作
長時間立っている、中腰での作業 など長時間同じ動作や繰り返し動作は、
関節や体幹を大きく動かすより 反って、筋肉に大きな負担
を 長時間かけている事になります。
「運動不足、筋肉を使っていない」と云われるのは、大きな動きをしていない、
(関節を動かす筋肉を使っていない)と思っておられるのですが、
手先を細かく使うには、肩甲骨・肩・肘の筋肉がしっかり固定していなけれ ばならず、
筋肉は作業している間中収縮・緊張しています。
中腰や立っている状態でも、同じ姿勢をキープする為の筋肉
が働き続けているのです。
② 継続する精神的ストレスやプレッシャーの為に、交感神経の興奮状態 が続く事で
筋肉が緊張し続け、疲労・硬直・痙攣状態に陥り、筋肉の機能が十分に 発揮できなくなっている
スポーツ選手も、オリンピックやタイトル戦においては、
プレッシャーからくる緊張で筋肉が硬くなって
思う様な動きが出来なかったり、怪我をされたりします。
交感神経の緊張によっても、筋肉は硬くなり、疲労します。
勿論、傷め易く、痛みの出易い状態になっている訳です。
③ 体が歪んでくる、関節が歪んでアライメントが正常でなくなると、
筋肉は正常な力機能を発揮できません。
例えば、肩が巻き込んでネコ背になった状態で手を上げ様としても真上に 挙がりません。
背中が曲がって 前方に重心が掛る人は 股関節の筋肉が正常に働き難くなり
脚が上がり難くなります。
この場合、脊柱を屈曲する筋肉と伸展する筋肉のバランスが崩れている ので
この様なタイプの方が、腹筋-腹直筋の筋トレをすると、更に前に
引っ張られる形で曲がります。
又、脊柱が弯曲する状態が続いている為、ずっと脊柱起立筋が過伸展
され、疲労して硬くなっている為、伸ばす力は衰えます。
その状態で、伸筋を筋トレして鍛え様としても、筋肉がパンクして痛みが出る事はあっても、
筋力が付くとは思えません。
実際、この筋出力が発揮できない筋肉を、筋力が無いと勘違いされて 、
筋トレをされて、痛くなったと来院されるパターンは
非常に多いのです。
ましてや、痛みが発生している状態で、正常な筋の機能が発揮出る訳はなく、
筋が、拘縮、痙攣しかかっている状態で筋トレをする事で、こじれて、
重度の腰痛や四十肩・五十肩に発展する恐れがあるので注意が必要です。
☆2015/12/11 私の初めての著書が出版されます。
応援よろしくお願いします
「指ではじくだけで肩の痛みが治る!-江戸の秘術から生まれた凄ワザ」
江戸時代の按摩術が、現代人の症状によく効く事を紹介した本です。
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お蔭様にて、腱弾きに続き、筋捩り調整も、オファーを頂き商業出版でき 当院のオリジナル施術法―第2作目 2018年3月29日発売です 新刊タイトル 「痛みもコリも一瞬でとれる筋ツイスト」もぜひご一読下さい。 タイトルをクリックして頂けますと、楽天ブックスに飛びます↓
岐阜市 マサゴ整骨院/福富健康院 058-252-3502 〔予約制〕 当院ホームページ https://ma35.net/
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「肩を動かさなかったから筋力不足で五十肩になったのでしょうか?」
「筋力をつけないと体が歪んで曲がっていくのでしょうか?」
と質問を受けます。
逆に、
「トレーニングジムに通っていて筋力をつけているのに、反って腰痛が酷くなるんです」
「しっかり運動しているのに、何故こんなに歪むのでしょうか?」
「スポーツのインストラクターをしているのに、五十肩になってしまい生徒に格好がつかないです」
等との お話も しばしば 耳にします。
私は、治療師・整体師として、25年近く 歪みや痛みを見て来ておりますが、
寝たきりや、ギブスや装具などを着けられていた場合を除き、普通の生活をしていて、
筋力不足が原因で 症状が出ている方や歪んでいる と感じた事はありません。
筋力不足や運動不足が腰痛や五十肩の原因なら、スポーツ選手やジム通いの方、
スポーツインストラクターの方は 腰痛や五十肩とは縁が無い筈ですが、
私が見る限りは、むしろ多いというか 酷い方を良く目にします。
先に例に挙げた スポーツインストラクターの女性は、筋トレやストレッチの
指導をしておられる位の方なのに、左肩が動かせなくなり、着替えや掛け布団を
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すると、
半月後には可動制限は残るものの肩を動かす痛みが殆んど消失しました。
では、皆さんが筋力が無い、運動不足で痛いと言われている
「筋力不足」の正体は何なんでしょうか?
それは、最近私が当ブログに 度々書いております「筋出力の低下」なのです。
筋出力の低下はどういうケースで起こるか、考えてみたらよくわかります。
① 過度な運動をしたり、同じ体勢を取り続けたり、同じ動作を繰り返し行う等
筋肉に負担をかけた事による疲労・硬直・痙攣により、
筋肉に余力が無くなり、筋肉の機能が十分に発揮できなくなっている
椅子に同じ体勢で長く座る、パソコンのキーボード操作、マウス操作など繰り返し動作
長時間立っている、中腰での作業 など長時間同じ動作や繰り返し動作は、
関節や体幹を大きく動かすより 反って、筋肉に大きな負担
を 長時間かけている事になります。
「運動不足、筋肉を使っていない」と云われるのは、大きな動きをしていない、
(関節を動かす筋肉を使っていない)と思っておられるのですが、
手先を細かく使うには、肩甲骨・肩・肘の筋肉がしっかり固定していなけれ ばならず、
筋肉は作業している間中収縮・緊張しています。
中腰や立っている状態でも、同じ姿勢をキープする為の筋肉
が働き続けているのです。
② 継続する精神的ストレスやプレッシャーの為に、交感神経の興奮状態 が続く事で
筋肉が緊張し続け、疲労・硬直・痙攣状態に陥り、筋肉の機能が十分に 発揮できなくなっている
スポーツ選手も、オリンピックやタイトル戦においては、
プレッシャーからくる緊張で筋肉が硬くなって
思う様な動きが出来なかったり、怪我をされたりします。
交感神経の緊張によっても、筋肉は硬くなり、疲労します。
勿論、傷め易く、痛みの出易い状態になっている訳です。
③ 体が歪んでくる、関節が歪んでアライメントが正常でなくなると、
筋肉は正常な力機能を発揮できません。
例えば、肩が巻き込んでネコ背になった状態で手を上げ様としても真上に 挙がりません。
背中が曲がって 前方に重心が掛る人は 股関節の筋肉が正常に働き難くなり
脚が上がり難くなります。
この場合、脊柱を屈曲する筋肉と伸展する筋肉のバランスが崩れている ので
この様なタイプの方が、腹筋-腹直筋の筋トレをすると、更に前に
引っ張られる形で曲がります。
又、脊柱が弯曲する状態が続いている為、ずっと脊柱起立筋が過伸展
され、疲労して硬くなっている為、伸ばす力は衰えます。
その状態で、伸筋を筋トレして鍛え様としても、筋肉がパンクして痛みが出る事はあっても、
筋力が付くとは思えません。
実際、この筋出力が発揮できない筋肉を、筋力が無いと勘違いされて 、
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非常に多いのです。
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筋が、拘縮、痙攣しかかっている状態で筋トレをする事で、こじれて、
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