腱のセンサーと 筋肉(筋腹)のセンサーの働きの違い

私の提唱する『腱をはじく方法』が、
なぜ、筋肉や腱のコリ・シコリに効果が高いのかを、
腱のセンサーと　筋肉(筋腹)のセンサーの働きの違いという観点から、
解説してみましょう。

筋肉は、中央の膨らみの部分の筋腹と、筋肉の両端のスジ状の腱に分けられます。

筋腹と腱には、それぞれ感覚受容器といわれるセンサーがあります。
同じ筋肉でも、筋腹と腱においては、センサーが異なるため、
そのセンサーにより感知する情報の種類が違い、筋肉に出される指令が
全く逆になるのです。

筋腹にあるセンサー〔筋紡錘〕は、筋肉の長さ、関節の動きを感知し、
筋肉の伸び縮みを調整し、関節の動きをコントロールします。
関節の動きが大きくなったり、筋肉が引き伸ばされ過ぎたりすることで、
危険信号を脊髄(せきずい)に送り、中枢より筋肉を収縮させ、
筋肉を元の長さに戻すように指令が出されるというシステムです。

肘を曲げて、上腕二頭筋の力こぶを作ってみて下さい。
この時、上腕二頭筋の筋腹は緊張して硬くなっているのに対し、
腕の付け根の起始部の腱あたりでは、緩んで柔らかくなっています。
これは、等張性収縮においては、筋腹の筋紡錘が興奮している事
を意味します。

ストレッチで、強く引き伸ばし過ぎたり、筋出力の小さい側(筋肉の緊張側)に
大きく引き伸ばすと筋腹のセンサーが感知して、
筋肉を収縮させて縮めます。
その為、ストレッチで緩めるつもりが却って硬くなってしまいます。

逆に、筋腹への刺激は、運動や筋トレなど、筋肉に力をつける時には有効です。
逆に、筋腹のセンサーが働きかけても、筋肉は緩み難いのです。

一方、腱にあるセンサーは、筋肉の張力を感知し、筋肉の緊張を緩めます。

パソコンの前に長時間向かう、スマホをやり続ける、長時間の運転など、
筋肉に等尺性収縮が発生し持続する張力が働くと、先ず、腱が緊張して
腱のセンサー〔腱紡錘・ゴルジ腱器官〕が感知します。

肘を曲げたままマウスを操作するときのように、テーブルの上に
手を乗せた状態を続けてみてください。
この時、腕の付け根の起始部の腱あたりでは緊張して硬くなっているのに対し、
筋腹あたりでは、緩んで柔らかくなっています。

これは、等尺性収縮においては、腱のゴルジ腱器官が 興奮していることを意味します。


この場合、腱のセンサーから危険信号を脊髄に送り、中枢より、筋肉の張力を
緩める様に指令が出されます。

しかし、同じ筋肉の持続収縮が長時間続く、あるいは毎日続く事で、
腱のセンサーは、その信号を捌ききれなくなり、腱全体に張力が掛り、
腱は痙攣し、シコリを作ります。
シコリができると、関節の動きが悪くなり、さらには動かせなくなります。

腱を弾くとコリ・シコリが取れるのは、腱のセンサーが刺激されたことで、
筋肉の張力を緩める反応が現れるためです。


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タグ：腱を弾く施術　腱と筋腹の受容器の違い 腱は張力のセンサー　筋腹は関節の動きのセンサー ラジオ大阪「高岡美樹のべっぴんラジオ」 高岡美樹のべっぴんラジオ ラジオ大阪