医学における　足し算と引き算　の考え：岐阜市　マサゴ整骨院刊　健康小事典：SSブログ

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医学における　足し算と引き算　の考え　[治療あれこれ] [編集]

先日、漢方を特集した番組で、「西洋医学は引き算で、漢方薬は足し算である」
と　言う見解を　医師の先生が述べられていました。
漢方では、一つ一つは　さほど効果が無い生薬でも、幾つか組み合わせる事で
優れた効果を発揮すると言う考えです。

専門学校に通っていた頃、鍼灸の研究会である『北辰会』にて、
主催の藤本蓮風先生より、
「漢方薬の高い効果を得るには、引き算である。足し算にするほど効果は和らかになる」
「重篤な病に用いる薬ほど、生薬の数は少ない」
と学ばせて頂いた事があります。

きつい薬の場合、単独で用いると著しい効果を発揮しますが、
それを少し中和する薬、胃腸を保護する薬を加えて用いる　と
言われていた様に記憶しています。

病や症状によって、足し算で用いるか、引き算で用いるかが決まる様です。

蓮風先生の鍼灸治療は、まさに引き算で、その患者さんの証にあった最低限の数の鍼を
されています。

整体の場合も、足し算で効果がある場合と、引き算が効果がある場合があります。

足し算が効果がある場合は、
筋肉が痙攣して痛みや動かし難いと言う症状が出ている時で、
当院の〈腱はじき〉やストレッチ的な刺激を繰り返す事で、
徐々に症状が緩和して動き易くなっていきます。

引き算が効果がある場合は、
自律神経によりあちこちに症状が出たり、パニック症状が出ている時です。
この場合は、刺激を入れ様としても体が受付けてくれません。
局所的な症状を追わずに、その方の根本を調整する刺激を　必要最低限に入れます。

先日も、過呼吸気味で、呼吸がし辛い患者さんに、〈手足のアーチ調整〉の後、
胸椎の5番のみを刺激をいれたところ、スーッと呼吸が入った、と私が感じたら、
患者さんも、様々な症状が取れていき「楽になりました」と効果を体感されました。

実は、前回、欲張って症状を追う治療をして、中々刺激を受け入れて貰えなかった
という経験を踏まえて、選択した引き算の方法です。

料理人の方も、「旨味は、素人は足し算で引き出すが、プロは引き算で、いかに素材の味や
塩の旨味を引き出すかである」
と言われていたのを、料理のTV番組にて　見た事があります。

又、演劇などを例にとりましても、盛り沢山で　回りくどい　つながりが不自然　等　
まとまりが今一つであると感じられたりされたなら、構成上・演出効果アップの為、
各方面のスタッフの方々や配役の方の〝これまでの稽古の努力は何だったの？〟
とのお気持ちも汲み取られながらも、本番直前でも　バッサリ　カットの場面も止む無し
　と　決断される事もあるそうです。

「出来上がりで納得してもらうしかないですね」
演出家の方の、引き算で苦悩される生の声も聞いており、心情をお察し致します。

整体の場合、足し算的な方法は　比較的習得が容易ですが、引き算の方法で
的確な効果を出すのは、経験に裏打ちされた高い技術力が必要です。

究極の整体技術と言うのは、
引き算により、自然治癒力を引き出す事に有るのかも知れませ。

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