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『石坂流鍼術』と硬結 [鍼灸と整体]

『石坂流鍼術』と言われているのは、江戸末期に幕府の
御典医を務めていた石坂宗哲という人により確立された針術です。
石坂宗哲は、いわゆる 経穴〔ツボ〕や経絡にとらわれる事無く、
施術部位を 面、及び 立体として とらえて自在に鍼を打ち、
身体と言う、生命体そのものを治療していく鍼をされたそうです。

これに似た考えは、
『夢分流打針術』(腹部に自在に打針をする事で、全身のバランスをとる)
を 開発された、
室町時代の禅宗の僧侶で御園夢分斎という人等にも見られる 
〝日本の伝統的鍼医術〟 を継承しているものであり、
石坂流は これに 西洋医学の解剖学的体の捉え方、外科的手法をも
取り入れている と言われます。

その、外科的手法を用いる 対象としたのが、〝硬結〟です。
「背骨や仙骨に 曲がりや捻じれが生ずると 硬結をつくる事で 
周りに支柱が出来 何とかバランスをとろうとしている」
と言うのが その基本的考えであり、硬結を取り外しながら、
支柱のいらない体―即ち、背骨が真直ぐなバランスがとれた体を造る―事に
主眼をおいているのです。
特に〔仙骨〕を重視し、仙骨周辺に発生した 
硬結を取る事に力を注がれた様です。

この考えは、〔整体〕に相通ずるところがあり、
石坂宗哲は、『鍼』という手段を用いて、
『整体』を行っていた とも考えられるのです。

整体と言うものをイメージするのに、曲がったり ズレた背骨に、
外力でもって矯正し様とする手法が一般的イメージでしょうが、
石坂宗哲名人には、「本末転倒である」と一笑されるでしょう。

背骨や関節を構成する骨を正常位に保ち、正常な動きをさせるのは筋肉
であり、筋肉のバランスが崩れると 背骨や関節が歪み、それを補う
とする為に 硬結が出来ます。

この 硬結が原因で痛みや動きの不具合をもたらすのですから、
硬結は緩めて取り除き、次に、硬結が発生しない様な 
バランスの取れた体を築いていく 必要があるのです。

石坂宗哲は、体表面だけでなく、深い部位の 硬結にも注目し、
長く太い針を用いて、〝外科的に〟対処し様としています。
これは、関節を動かす筋肉が表層筋で、
背骨を支えて正しい位置に保持するのが、深部筋である
事が経験をもってして解っておられ、深部筋に生じた 硬結 
に目を付けられたのではないでしょうか。

私の行う『バランス療法』では、
表層の硬結は『腱はじき術』で、深部筋に対しては、反射を用いた
『バランス整体』にて対応しております。

施術に時間が掛る、繊細な身体の現代人には、太い針を深刺しするには
体が耐えられない 等の理由で、『石坂鍼術』は衰退しておりますが、
その精神・考えは 整体師によって受け継がれて
いくべきではないかと考えております。




参考文献 『石坂流鍼術の世界』 町田栄治編著  三一書房





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