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筋腹へのマッサージと 腱賦活術 [東洋医学]

小学生の頃、足が攣った時、祖母や母からよく、
ふくらはぎを揉んだら熱が出るよ!」
と注意を受けた記憶があります。
多分、自分か身内、又は知り合いにその様な例が有ったのだと思います。

その本当の意味が、治療師になって20年以上経ってようやく解ってきました。

ふくらはぎとは下腿三頭筋・ヒラメ筋の筋腹になります。
筋腹は揉んでも足の攣りは取れませんし、
グリグリ強く揉む事で自律神経に間違った刺激が入りやすく
失敗するとそのバランスを狂わせます
その結果、眩暈や頭痛、微熱などの自律神経症状
が起きてきます。

逆に、軽擦法等で、筋肉の流れに逆らわず、血液やリンパを
流してやると、自律神経が整います。
テレビや雑誌で紹介されて、巷で流行った『ふくらはぎのマッサージ』は、
冷え性、高血圧、頭痛、眩暈、耳鳴り、むくみに効果があった
という声が寄せられたそうです。
 
これには、「根拠がない」という意見もあるようですが、
皮膚へのマッサージ刺激により自律神経系は整うと思います。
「乾布摩擦」が風邪予防に効果があると云われてきたように、
経験医学がそう教えてくれるものです。

ところが、そんなマッサージも、
腰痛や四十肩、腱鞘炎、膝関節症などに効果があったという声は少ない様です

私が行っている『腱賦活術』は、一見マッサージに似ていますが、
筋腹を使わず筋肉の両端のという部位のみを施術対象にします。

腱は、関節を構成する骨に付着する部位で、この腱によって関節や指は動きます
腱は、パソコン・スマホ操作に代表される、繰り返し動作や
同じポジションを続ける等の行為により、
痙攣を起こして関節の動きに支障をきたし易くなります。

従って、“腱を弾く”という手法は、肩甲骨や骨盤を固定して手先や足先を動かす、
ディスクワークやドライバーの方の、痛みや関節の動きの制限にとても効果があります

腱を弾く手技として江戸時代に存在していました、
古法按摩の手技に見られる『解釈の術』と
云われるものがあります。
解釈とは「解きほぐす、解き放つ」という意味を持っています。

文政10年(1827年)太田晋斎により著わされた
按腹図解』の中の「家法導引の術」に
利関の術(運動法)、調摩の術(軽擦法)と共に三術ありとして紹介され、
その方法は
婦女子などの三絃を弾くに、其の線を指頭にかけて軽く弾くが如くなす」と
書かれています。 正に、『腱弾き』ですね。

婦女子というのは、力仕事をする旦那や男衆と違い、
同じ体勢で縫い物や手作業の内職をする事が多かった奥さんに
よく見られた症状という事でしょう。

その頃のやり方は詳しくは伝承されておりませんが、
攣急する筋を指で弾く手技という事で、
昔から痙攣を解く方法として腱を弾く手法が用いられていた事になります

私が想像するに、痙攣を解く目的なら当初は 
私が行う様に真横への動きのみだったのが、気持ち良さを追求するあまり、
往復動かし、輪状に回し捏ねる現在の方法となり、
この腱の痙攣を解く手法は消えてしまったと思われます

又、古法按摩は、経絡の気の虚実を整える目的で
補瀉』を使い分けていたと云われます。
補瀉とは、刺激の強弱や方向、又は呼吸などで、
実するものは瀉し、虚するものは補す
という考えで、
筋肉が緊張している場合は緩め、緩んでいる場合は力をつける
という私の考えと同じになります。

私の行う『腱賦活術』も経絡という概念は無いものの、
筋肉の弛緩(虚)緊張(実)に応じてこれらの補瀉を使い分ける うえで、
江戸時代の考えがとても参考になりました。

この様に、
筋腹と腱とでは、刺激する方法も、効果が期待できる傷病も違ってきます
どちらがより効くというのではなく、使い分ける事が大切ですね。





当院の〈手足のアーチ整体〉や〈腱はじき術〉は、健康保険の対象外です。





☆2015/12/11 私の初めての著書が出版されます。


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指ではじくだけで肩の痛みが治る!―江戸の秘術から生まれた凄ワザ

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お蔭様にて、腱弾きに続き、筋捩り調整も、オファーを頂き商業出版でき 当院のオリジナル施術法―第2作目 2018年3月29日発売です 新刊タイトル 「痛みもコリも一瞬でとれる筋ツイスト」もぜひご一読下さい。 タイトルをクリックして頂けますと、楽天ブックスに飛びます↓


当院の〈アーチバランス整体〉〈腱賦活術〉は、健康保険の対象外となっております。

岐阜市 マサゴ整骨院/福富健康院   058-252-3502 〔予約制〕 当院ホームページ https://ma35.net/ 

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後谿 と 合谷 [東洋医学]

先日、東洋医学―漢方薬や鍼による治療―を、診療に取り入れておられ、
地域で有名な医師の先生が 奥様と一緒に来院して下さいました

奥様の歪みの観察を一緒にして頂き、施術も見学され、私の説明にも
耳を貸して頂け、共感して頂けた様でした。

合谷・後谿への刺鍼を多く取り入れる事で
神経痛や関節症 等 に優れた効果を得られる事を治療の合間にお話して頂け、
初対面にも拘らず、
「これらの刺鍼は、色々な疾患に良く効くから 使うと良いよ」 
との御指導まで頂けました。

この、二つの取穴を聞いて、先生の行っておられている施術と、
私の行う[手のアーチの調整]とは、理論、方法は違っても、
治効作用機転はほぼ同じである様に感じました。 

後谿は、解剖学的には小指外転筋です。

小指外転筋が緊張すると、小指と環指の間が広がり中手骨のアーチが潰れます
同様に長母指外転筋も、緊張すると拇指と示指の間が広がります

合谷は、骨間筋ですので、
母指外転筋群・内転筋のバランスにより発生する
母指と示指の間隔の大小により、緊張・弛緩側が起きてきます。


即ち、後谿 と 合谷 は手のアーチに関わるツボでと云える為、
これらの調整により、手の広がりが調整され、アーチバランスが整います

これらのツボを調整し、アーチバランスを調整する事で、重心バランスの異常
による歪みによる症状は 改善される訳です。

これらの調整において、
手足のアーチに関わる肩・肘関節、顎関節、股関節、腰仙関節等の
バランスが整い、
それらの歪みが起因する症状が改善されるという私の考え が、
的外れでは無いと 先生とお話し頂いた御縁により 確信を持つ事が確信でき
とても 嬉しく 心強く思えました。







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活法と 武道医学 [東洋医学]

活法とは 武術において 
表技である 殺法に対して、裏ワザである蘇生・治療を目的とするもので  
各流派ごとに開発されて 秘伝として口伝により 継承されました。

活法には、仮死状態にある者の 蘇生術と 急性外傷に対する
応急処置・治療を行う医術 に分けられます。

急性外傷に対する応急処置・治療を行う医術には、骨折・脱臼など 
骨の損傷に対する整骨法、筋・腱などの軟部組織の損傷に対する
腱引き法・柔軟法の他、湿布・薬草を用いた薬法
などがあります。


活法は筋肉や骨格を瞬時に矯正する事ができます。
基本的に、呼吸やタイミング、力学的作用を用いて、無理な力を
使わずに行います。

活法の特徴としては、先ず即効性があげられます。
武術においての負傷に用いられる様に考えられた方法の為、
いかに早く立ち直らせて、戦える体に戻すかが重要であった筈です。

症状を軽くし、動ける体に戻すのが 活法の目的である為、
〝根本から治す〟という事は考える必要性は無かったのです。


次の特徴は、どこでも、どの様な体勢でも速やかにできる技術
である事です。場所を選ばず簡単である事が重要となります。


活法には幾つかの流派があり、その流派ごとに秘伝として口伝で継承
されているとの事です。即ち、一子相伝の技術なのです。
その為、詳細が書かれた 書物はあまり無いのです。

明治時代以降、西洋医学絶対の思想が広まり定着した為、
活法は存続の危機に瀕しましたが、指圧・柔道整復・腱引き・整体 
その他の民間療法に形を変えて生き残っています。

そのうち、国家資格として法制化されたものとしては、
指圧・柔道整復があげられます。

指圧の手技のなかで衝圧法には、武術の活法的
な要素が窺えます。

柔道整復師が行う業務は、元々は 柔術の裏技である活法を利用して、
骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷に対して施術を行うものでした。

柔道は明治時代に、嘉納治五郎先生が起倒流、天神真楊流柔術を基に
講道館柔道を 『知育・徳育・体育』の教育の為に創られました。

その元流の一つである『天神真楊流』は『楊心流』の系統で、
楊心流では、相手を倒す為の『殺法』と、痛めた人を治す為の『活法』
の両方を修得するのが特徴です。
その中の活法の一部に整骨法がありました。
『天神真楊流』は『楊心流』と『真之神流』を合せたもので、
四巻の伝書が作られ、打ち身・捻挫の治療法・薬方は地之巻
脱臼・骨折の整復・切り傷の治療法は天之巻
の免許皆伝が与えられました。

この様な経緯で 江戸期には 武術・柔術家、按摩師、医師により 
整骨術、接骨術として確立され 整骨 接骨・正骨・ほねつぎ として
存在し、国民医療の担い手となっていたのでした。

嘉納治五郎先生は 柔道師範が 整骨・接骨を 生活の為の生業として
行う事を提唱され、大正九年に 『柔道整復』として 
医療の一つに加えられる事になります。

ここで『柔道整復』として用いられた〔活法〕は、整骨・接骨の骨法であり、
同じく柔術家において 筋肉・腱の損傷時の〔活法〕として用いられていた 
『腱引き』は 外されました。

『腱引き』は、仙台の『柳生心眼流』という柔術に伝わる 
活法で、筋腱が損傷すると、固まって硬くなり関節の動きが悪くなったものを 
劇的に改善する秘法でした。

即ち、『柔道整復術』には骨折・脱臼などの骨の損傷を整復する 
武術の活法は生かされましたが、
筋腱の損傷の整復法は『柔道整復術』として取り入られなかったのです。

その為、整形外科が骨折・脱臼治療の殆んどを行っている現在、
柔術の〔活法〕が捻挫・挫傷・打撲の整復・施療に生かされる事は無く、
捻挫・挫傷の施術としてはマッサージがその中心として行われている
現状なのです。

私が行っている『腱はじき術』は、『手技研』に伝わる
手法を基に、自らの五十肩を実験台として研究し、 
臨床を重ねながら 進化させたものです。

関節が動き難くなったり、動かして痛い時には、驚くほど効果があります。

しかし、整体・指圧など 色々な施術法のルーツを辿ると、武術の活法に
行きつく事が多い事から考えて、元々は 柔術の活法として用いられていた
手法を元にしているのかも知れません。

私は、柔道整復の施術は、柔術の活法が源流である事を踏まえ、
マッサージでなく、日本の伝統的手法にも 目を向けるべきである
と思います。





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