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沢田流聞書・鍼灸真髄にみる整体論 [鍼灸と整体]

沢田流とは、大正・昭和に活躍されたお灸の名人:沢田健先生の鍼灸術の流派

であり、弟子の代田文誌先生が師の教えや臨床記録を、十年に亘って筆録された物を、

『澤田流聞書―鍼灸真髄』として出版されています。


今から25年前の学生の頃に購入したこの本は、幾度となく読み返し、表紙がボロボロに

破れていますが、私の治療家としてのバイブルと言っても過言ではない書物なのです。


私は、現在、お灸による治療はもとより、東洋医学に基づいた施術もしていませんが、

この本にはそういうものを超えた体の捉え方、整体論


があるのです。


猫背はどこかが引き攣る為に曲がるのだから、灸をするとだんだん背中が伸びてくる、

下腹に力が入らないと体は曲がるので、力が入る様にしてやれば曲がりは治っていく

と言われています。


そして、驚く事に、後ろに反り過ぎている人にも、お灸をすえると、重心が前に移動した

事が書かれています。


沢田先生は脊柱に手を当て、胸を支えて脊柱をして伸展させる方法をされていた

そうですが、スジが引き攣れたまま矯正すると、反って悪くなるので、

上腹部の巨闕・鳩尾・上かん等のツボへのお灸にて、

腹部の引き攣れを緩ませてから行っておられた様です。

そうすると、楽々と矯正ができると言われています。


又、手首の甲側の中央にある陽池というツボの左側にのみ、好んでお灸をされています。

「左陽池は、下焦を調節の要穴で、ここに灸すると左の腹直筋の引き攣りが緩み、

子宮左屈がなほる」と、記述されています。

理論は東洋医学と生理解剖学と全く異なりますが、

陽池の虚(弛緩)側 =左側の腹直筋が緊張して、恥骨を歪める

というのは 重心系の相関連動 そのものなのです。


その他、背中の曲がりを治すツボとして、『バランス療法』で猫背に関与する肩甲骨の

前傾を改善させる棘上筋のポイントである天髎、肩甲骨の内旋に関わる臑会も、

前屈姿勢を真直ぐにさせるポイントとして挙げておられます。


対症療法を批判されている、沢田先生ですが、この本には他にも、

〇〇に良く効くツボ、〇〇を治すツボなどの表現がたくさん出てきます。


大極療法・全体治療というものを誤解されている治療師がみえますが、

先生の唱えられた大極療法とは、

症状や局所に捉われない、目を向けないというものでなく、

症状の起こっているメカニズムを読み切り、症状の大元を治そうとされたのです

その為、スジや関節のズレによる症状には、筋肉の整復・整骨術も行われていた様です。


東洋医学の理論に基づく鍼灸治療をされている先生が、

整体の考えに見向きをされなかったり、整体を極めた先生が鍼灸を否定されている

事が多い中、核心はひとつであり、

沢田先生は、本当の意味で体を極められていたと思うのです。

ひとつの治療方法に拘らず、鍼でも、テープでも電気でも磁石でも、

効果あるものは何でも 持ち込んで、研究して取り入れ、

患者さんが楽になる事を第一に考える 治療師になりたいものです。





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藤本蓮風先生の鍼の刺激と手技研系療法との類似点 [鍼灸と整体]

私が手技の施術をメインとする 以前は、

鍼・灸を取り入れて施術を行っておりました。

その頃は、奈良の藤本蓮風先生が主宰される『北辰会』

勉強させて頂いておりました。


中医理論に基づく、北辰会の独特の体表観察や問診・触診・舌診・脈診を

勉強させて頂きました。 

それは、他の鍼灸法とは違い、

明快な理論の上に成り立っており、卓越したものであると感じておりました。


手技の道に入った今でも、自然の原理・体の捉え方・体表観察・刺激の入れ方

など、参考にさせて頂いており、患者さんにお話ししております。


私の行っている『手技研』の考えや施術法と、北辰会流の鍼は、

理論は、ドイツ医学と中医学と 全く相反するものに基づきながら、

かなり似通っていると思います。


先ず、今回はその刺激についてです。

北辰会の鍼は、体表観察や問診・触診・舌診・脈診により

得られた情報により、弁証を行い、証をたて、

配穴を決め、1~3本の鍼をもって、気血の調整をする方法でした。


鍼は、刺す というよりは、引っ掛かっている という位の刺激で 

置鍼する 事が多かった様に思います。


鍼は深く刺すもの、痛い所に刺してもらうもの というのが、

世間・鍼灸師の認識で、加えて、沢山打つと

丁寧だと喜ばれるという要望のなかで、全ての常識を覆す方法は

正に革新的なものでした。


手技研系の整体・調整も、皮膚に触れる位の刺激、呼吸に合わせて

関節を動かすだけの刺激であり、当時バラエティ番組で取り上げていた、

ボキッと関節を鳴らしたり、悲鳴を上げる様な荒っぽい施術というのが 

整体のイメージ にある中で勉強を始めてから、

こちらも、革新的で魅力的で、20数年傾倒しております。


ただ、当初、この様な軽い刺激、訳の解らない事で治る訳がない 

と 思われた患者さんが多くおられたのも事実で、

「先生、もっと 強く押してくれ、痛い方を引っ張ってくれ」

と言われる始末で、苦労をしました。


『手技研』系の講習会で、刺激というものの本質を認識してから、

表層(皮膚表面)の刺激が、刺激の受容器が深部と異なる為、

軽い刺激の及ぼす作用が深部に与えた時と逆になる事と、

皮膚の刺激は、大脳・視床下部に届き、深部の刺激は小脳を介しての反射が起こる

事を学びました。


即ち、自律神経が絡んだり、慢性化した傷病は、

皮膚の軽刺激により正中を出す調整を行い、

筋・関節の傷病は、深部にストレッチや〝弾く〟刺激を入れる

と言う 使い分けができます。

例えば、急に足が攣った時などは、ゆっくり調整するより、

筋肉をストレッチした方が早いですね。

そう、深部刺激は、小脳介在の反射を起こすので、

反射の起こる速度は早く大きいのです。

ただし、精密さは欠くので、神経系のコントロールには向きません。


随分昔の事で詳しくは覚えてないのですが、

蓮風先生が、「必要がある時は、深く刺す事も必要である」と言われ、

長い針で即刺即抜されるのを見せて頂いた記憶があります。


蓮風先生や森原・藤原先生の如く天才・達人には足元にも及びませんが、

私も、臨床経験25年を経る中で、

ようやく、表層と深部の使い分けが 出来る様になってきたと思っております。







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皮膚刺激と深部刺激 [鍼灸と整体]

鍼や指圧の理論では、
「強刺激は神経を鎮静し、弱刺激は神経を興奮させる」 と言うのが 
定説となっています。

しかし、転んで膝を打った時や、棚に頭をぶつけた時には、
思わず打ったところを擦ります。
〝さする〟という刺激は、〝押さえる〟〝揉む〟と言う刺激に比べて
明らかに軽い刺激です。

私が考えるに、急性の痛みや、炎症・疼きを伴う痛みは、
皮膚表面の知覚神経が過敏を起こしているもので、
この場合は、軽い刺激で鎮痛します
つまり、痛みを起こしている神経も、感覚受容器も異なるのです。

一般の痛みは、深部への強い刺激で交感神経を緩めて、
血行を良くして鎮痛します。
急性の痛みは、皮膚への弱い刺激で副交感神経を緩めて、
鎮痛させ、出血や炎症による充血を抑えます。

私が、施術で用いる『皮内針』は、
皮膚表面に極細く小さい針を皮膚に沿わせる様に引っ掛けて、絆創膏で留める 
と言う方法を用います。
一般に言われる 鍼治療の、皮下にブスッと刺す のとは正反対です。

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捻挫や打撲の痛みや腫れには勿論の事、
五十肩・腱鞘炎の炎症期、肋間神経痛などの神経過敏症状
に とてもよく効きます。

これは、皮膚の知覚神経の受容器に軽刺激をする事で、
血管を収縮させ、神経を鎮静させる為です。







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